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四日市工場の軌跡
四日市工場は1992年に設立され、最先端のメモリ製品の生産拠点として発展してきました。
1992年~2001年:四日市工場の創設
1992年、地元経済・産業の発展への期待を受けて、当時の最先端メモリ製品の量産拠点として四日市工場が発足しました。
1990年から2年かけて工場用地を造成し、待望の第1製造棟が竣工し操業を開始したのは1993年。前工程・後工程の一貫ラインが完成し、四日市工場最初の生産品種となる16Mbit DRAMの生産を開始しました。
1995年にはさらなる生産規模拡大と次世代製品の量産を見据えて、第2製造棟が竣工しました。翌1996年には64Mbit DRAMの生産を開始し、事業拡大に向けて着実に歩みを進めていきました。
1997年6月には、16Mbit DRAMの生産累計1億個を達成しました。
64Mbit DRAMの生産能力が大幅に向上する中で、128Mbit DRAM、256Mbit NAND型フラッシュメモリ・NOR・SRAMなどの次世代メモリ製品の開発も進みました。
1998年に後工程を担う子会社 四日市東芝エレクトロニクス社が発足すると、1999年にはDRAM・SRAMに加え、NAND型フラッシュメモリの生産を開始。開発・製造が四日市工場に集中し、生産規模が拡大していきました。
しかし設立10年目にあたる2001年、IT不況などの影響を受け、汎用DRAMの製造・販売からの撤退を発表します。これにともない、四日市東芝エレクトロニクス社も解散しました。目まぐるしい発展と変化の中で、大きな試練に直面します。
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キーワード:四日市市
キオクシア 四日市工場の所在地である三重県四日市市は、豊かな自然環境、豊富な人材、優れた産業基盤に恵まれた日本有数の産業都市です。
2002年~2011年:NAND型フラッシュメモリ市場の成長とともに
2002年、半導体メモリ事業は、NAND型フラッシュメモリの製造を行う米国サンディスクコーポレーション(現・ウエスタンデジタルコーポレーション)との合弁会社「フラッシュビジョン」を四日市工場内に移転し、米国ドミニオン・セミコンダクタ社にあった装置を移設して、四日市工場へ拠点を移しました。NAND型フラッシュメモリを中心とした高付加価値のメモリ製品に舵を切って新たな挑戦が始まります。この頃にはデジタルカメラやカメラ付き携帯電話の普及により、NAND型フラッシュメモリの市場規模が爆発的に伸長。市場ニーズに対応するために増産体制を急ピッチで構築するとともに品質向上にも取り組み2003年にISO9001を取得、生産の基盤を固めていきました。
2005年には、当初の予定よりも1年前倒しで生産効率の高い300mmウェハに対応した第3製造棟が操業開始、この年にはNAND型フラッシュメモリの生産累計10億個(64MB換算)を達成しました。NAND型フラッシュメモリの製造プロセスの微細化、多値化技術による大容量化を進めて生産能力を拡大し、画像や音楽向けにますます増え続ける記憶容量に応えていきました。
2006年には当時の最新設備を導入した第4製造棟に着工し、四日市工場発の製品の世界市場におけるプレゼンスを高めていきました。
メモリ事業がV字回復を果たして軌道に乗る中、2007年6月に当時世界最大級の規模を誇る第4製造棟が操業を開始し、全社の期待を受けて急ピッチで量産化が進められました。一方で、2008年7月に高圧ガス保安法の届出不備により、四日市工場は三重県から厳重注意を受けることとなりました。二度と同じ事態を起こさないよう再発防止策を講じ、全従業員が「遵法・安全最優先」の徹底・信頼回復を誓って再出発しました。そのような中、次世代メモリ製品の研究・技術開発部門を四日市工場に移し「先端メモリ開発センター」が本格的に始動。将来の事業発展の生命線として、研究・技術開発と量産とが一体となります。また、世界での生き残りを賭けた第5製造棟の建設を決定。しかし、この頃に世界的な景気の後退、消費の低迷により半導体の市況も悪化し、メモリ事業をとりまく環境は厳しさを増しました。
2010年、市況の回復とともに第5製造棟の建設工事がスタート。後工程の強化のため、東芝LSIパッケージソリューション社(当時)が四日市工場に移転しました。同年、メモリ製品を数多く世に送り出した200mmウェハによる生産が終息。約18年という歴史に幕を閉じました。
2011年4月には、待望の第5製造棟が完成しました。同年9月には、NAND型フラッシュメモリの累計生産100億個(1GB換算)を達成。さらには、世界初・世界最小の19nm NAND型フラッシュメモリの量産を開始しました。微細化・高速化を推進することで市場ニーズに応え、拡大する需要に対応してきました。
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キーワード:NAND型フラッシュメモリ
キオクシアは、1987年に世界初のNAND型フラッシュメモリを発明し、現在も世界で有数のフラッシュメモリの開発、製造を行う企業です。四日市工場でのNAND型フラッシュメモリの生産は1999年から始まりました。
キーワード:多値化技術
フラッシュメモリの容量を増やす技術のひとつに、一つ一つのメモリセルに記憶できるデータの量を増やす「多値化技術」が挙げられます。
2012年~2021年:生産規模の急拡大と3次元フラッシュメモリへの移行
技術・コスト競争が激化する中、前年2011年に第5棟(第1期)が完成したのを皮切りに、2014年は第5棟(第2期)、2016年は第2棟の建て替え、2018年には第6棟と開発センターと新棟の建設ラッシュが続きます。各棟は棟間搬送システムで接続され、製造装置の能力を補完する統合生産を確立。また、市場から要求される微細化・大容量化・小型化・低コスト化に対して、開発部門と量産部門が同じ敷地で密に連携し、いち早く対応できるようになりました。
「世界一の最先端メモリ工場」の実現を目指し、生産性の改善や品質の向上に取り組んだ結果、2013年に「GOOD FACTORY賞(日本能率協会)」を受賞します。経営指標の工夫、日々の活動を支える従業員の計画的育成、ITを活用した生産性改善活動、環境対応に対する取り組みと実践などが評価されました。さらに2016年に「現場イノベーション賞(人工知能学会)」を受賞します。製造装置や検査装置から収集したビックデータを人工知能で解析し、生産性を改善したことが高く評価されました。
微細化の限界が見え始め、2016年にはいよいよ3次元フラッシュメモリの量産が始まります。メモリの急速な大容量化と製造プロセス技術の高度化により、四日市工場の規模は急激に拡大しました。
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キーワード:スマートファクトリー
メモリの急速な大容量化と、製造プロセスの複雑化や大規模化に伴い、これまで熟練の技術者が担ってきたデータ解析の一部を人工知能と機械学習を用いて自動化しています。
2022年~:より持続可能な半導体メモリ工場へ
地域や関係者のみなさまに支えられ、2022年、四日市工場は設立30周年という節目の年を迎えることができました。今後、新しい第7製造棟での生産拡大も進めてまいります。
これからもみなさまの生活に必要不可欠なフラッシュメモリを提供するとともに、環境保全、社会貢献などに積極的に取り組み、持続可能な社会の発展に貢献していきます。
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キーワード:サステナビリティ
事業を通じて持続可能な社会の発展に貢献するキオクシアグループの取り組みをご紹介します。