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技術用語集
半導体メモリやSSDなど、キオクシアの製品や技術に関わる用語を取り上げた技術用語集です。技術者・研究者の方から一般の皆さままでご活用いただけるよう解説しています。
あ行
「あ」から始まる用語
誤り訂正
「う」から始まる用語
ウェアレベリング
フラッシュメモリなどの記憶媒体において、保存データの書き換えによる劣化を防ぎ、使用寿命を延ばすための技術。保存データの書き換えが一か所に集中せず均等に分散するように制御することで劣化を防ぐ。
ウエハ
フラッシュメモリをはじめ、あらゆる半導体チップの基盤材料となる半導体単結晶の円盤で、メモリ向けには近年はシリコンの単結晶でできた直径300mm、厚さ約1mm程度の大きさが一般的。シリコンを精製して高純度・単結晶のインゴット(円柱状のシリコンの塊)を作り、薄くスライスして作られる。
「え」から始まる用語
エッチング
ウエハ上に回路パターンを形成するため不要な部分を削る工程。薬液などで削る「ウェットエッチング」と、反応性ガスなどを用いて削る「ドライエッチング」の2つの方法がある。
エラー訂正
メモリなどの記憶媒体にデータを書き込んだり、データを送受信する際に発生する誤りを検出し訂正すること。この機能に用いられる符号をECC(Error Correction Code)と呼ぶ。
エンタープライズSSD
企業のITインフラや銀行の送金システムなど、高いパフォーマンスと高信頼性が求められる場所で使われるSSD。データの保護を強化し、安全性や機密性を高めている。
関連用語:
か行
「き」から始まる用語
金属ゲート電極
「く」から始まる用語
クライアントSSD
PCやタブレット、エントリークラスサーバー、IoT/組み込みデバイス等、さまざまな分野で使用されるSSD。
関連用語:
「け」から始まる用語
ゲート
主にトランジスタやメモリセルの動作を制御する電圧をかける端子。フラッシュメモリのメモリセルにおいては、ゲートに電圧をかけることで導電性電荷蓄積膜への電子の出し入れや信号読み取りを行うことができる。
ゲート電極
「こ」から始まる用語
高集積化
1つのシリコン基板の上に複数の異なる機能を持つ素子を集積すること。集積された電子部品をIC(集積回路)と呼び、集積度が高まるとLSI(大規模集積回路)やVLSI(超大規模集積回路)などと呼ぶ。
コントローラ
NANDやDRAMなどを制御する役割を持つロジック半導体。バッドブロックの管理やウェアレベリング、エラー訂正等メモリの読み書きに関する制御を行う。
コントロールゲート
さ行
「し」から始まる用語
シリコンウエハ
信頼性
その製品が所定の条件の下で所定の期間、要求仕様を遂行できる能力のこと。フラッシュメモリにおいては、データの書き換え可能回数や保持期間に対する不良率にて表す。信頼性が高いほど製品寿命を長くすることができる。
シーケンシャルアクセス
シーケンシャルリード
メモリの性能・速さに直結するデータ読み出し方式の一つで、(順を追って)連続したデータを読み出すこと。一方、順番を飛ばしながらデータを読み出すことをランダムリードと呼ぶ。
「す」から始まる用語
ストレージクラスメモリ(SCM)
主記憶(DRAM)とストレージ(フラッシュメモリ、SSD)の性能・容量のギャップを補完し、高速処理が可能な不揮発性メモリ。
「せ」から始まる用語
成膜
ウエハの表面に、絶縁膜や金属膜など半導体の回路の材料として必要な層を形成する工程。
積層化/積層プロセス
平面構造のメモリセルを上に積み上げることで、単位面積あたりのメモリセルの数を増やす技術。積層化によりメモリの大容量化が可能となる。
絶縁体
電気をほとんど通さない、電気抵抗率が高い物質のこと。
関連用語:
た行
「た」から始まる用語
多値化
一つ一つのメモリセルに記憶できる情報量を増やす技術。1つのセルに記録できる情報量(bit数)によってMLC(2bit/cell)、TLC(3bit/cell)、QLC(4bit/cell)と呼び方が変わる。
「て」から始まる用語
デザインルール
データセンターSSD
データセンターにおける使用を主とするSSD。低消費電力と高性能の両立を求めるローエンドサーバーや、クラウドデータセンターに適している。
関連用語:
「と」から始まる用語
導体
金属など、電気を通しやすい、電気抵抗率の低い物質のこと。
関連用語:
トランジスタ
電気信号の増幅やON/OFFなど、電流をコントロールする素子。
な行
「な」から始まる用語
ナノメートル
1mの10億分の1を表す単位で「nm」と表記される。一般的な2次元のNAND型フラッシュメモリのメモリセルの最小サイズは、近年では約15nmで髪の毛の約4,000分の1程度の大きさ。
は行
「は」から始まる用語
薄膜形成
パッケージ
電子回路が搭載されたチップを、熱や光、衝撃などから守るプラスチック製の樹脂。
バッドブロック
製造段階でデータの記憶に適さないと判断されたブロックや、データの書き換え回数増加により劣化したメモリセルの数が多くなったブロックのこと。バッドブロックにはデータは保存されないため、バッドブロックが多いほど記憶可能なデータ容量が少なくなる。
パワーロスプロテクション(PLP)機能
SSDに搭載される、供給電源喪失時データ保護機能。SSD内に搭載しているキャパシタに充電された電力を使い、供給電源喪失時でも記録済みのデータの保持のほか、受信したばかりのキャッシュ上のデータもフラッシュメモリに記録することができる。
半導体
導体と絶縁体の中間的な電気抵抗率を持つ物質のこと。温度変化や電圧、磁場、光の照射、不純物を少量加えることなどによって電気抵抗率が顕著に変化する。主にゲルマニウムやシリコンなどがあり、中でもシリコンはメモリなどの半導体製品の材料として使用される。
関連用語:
「ひ」から始まる用語
微細化
ウエハ上の素子、配線の加工寸法を小さくする技術。半導体メモリにおける微細化は、1つのメモリセルが占める面積をできるだけ小さくして、1つのフラッシュメモリの中に、できるだけたくさんのメモリセルを搭載する技術を指す。
ビットコスト
1ビットあたりの製造コスト
「ふ」から始まる用語
フォトマスク
リソグラフィ(露光)工程において、電子回路のパターンをシリコンウエハに転写する際の原版となるもの。透明な石英ガラス板に微細な回路パターンが形成されている。
フォトリソグラフィ
フラッシュメモリ
半導体メモリの中で、電源を切ってもメモリセル内のデータが残る不揮発性メモリの一つであり、繰り返し何度もデータの書き込み、消去ができる。フラッシュメモリにはNAND型とNOR型の二種類がある。
不良ブロック
フローティングゲート
フラッシュメモリのメモリセルにおいて、ゲートとシリコン基板の間にある層。ゲートに電圧をかけることでフローティングゲート内に電子がある状態やない状態を作ることができる。
プロセスルール
半導体を製造する際に回路や配線の加工ができる最小単位の寸法。主に半導体製造の世代を表すのに使われる。
浮遊ゲート
ま行
「む」から始まる用語
ムーアの法則
インテル創業者の一人であるゴードン・ムーアが1965年に唱えた半導体の集積率に関する法則。一般的に「半導体の集積率は18か月で2倍になる」と言われる。
「め」から始まる用語
メモリセル
メモリチップにおいて情報を記憶する最小単位の場所で、それ自体が小部屋のような役割を持つ。メモリセル(小部屋)の電子の量により、データを記録する。
ら行
「ら」から始まる用語
ランダムリード
メモリの性能・速さに直結するデータ読み出し方式の一つで、順番を飛ばしながらデータを読み出すこと。一方、順を追って連続したデータを読み出すことをシーケンシャルリードと呼ぶ。
「り」から始まる用語
リソグラフィ
ウエハ上に回路パターンを形成する工程。ウエハに感光材(レジスト)を塗り、回路パターンが書かれたフォトマスクを重ね、光源を当てることで、フォトマスクに書かれた回路パターンをウエハに転写する。
「B」から始まる用語
BENAND™(ビーナンド)
SLC NAND型フラッシュメモリにECC回路を搭載したキオクシアの製品。ホスト側でのECCによる誤り訂正処理が不要なため、ホスト側のエラー訂正能力に関わらず、24nm SLC NANDが使用可能。
BiCS FLASH™(ビックスフラッシュ)
キオクシアの3次元フラッシュメモリ。フラッシュメモリの製造コスト削減のため、1層1層下からメモリセルを積み上げていくのではなく、板状の電極を積み上げ、それらを貫通する穴を開けて電極を通し、一気にすべての層でメモリセルを作る画期的な手法を適用している。
bit(ビット)
コンピューターで処理するデータ量の単位。「1ビット」は2進数で表現できる最小のデータ量を示す。
「C」から始まる用語
CAD(キャド)
コンピューター支援設計と呼ばれ、製品の製図や設計をコンピューターにて行う手法。(英:Computer Aided Design)半導体デバイスのデバイス・プロセスのシミュレーションに使われるTCADはCADの一種。
「D」から始まる用語
DRAM(ディーラム)
半導体メモリの中でも、電源を切るとメモリセル内に記録されたデータが失われる揮発性メモリの一つ。フラッシュメモリと比較すると非常に高速にデータの読み書きができる。主にPCやサーバー、スマートフォンに使用される。(英:Dynamic Random Access Memory)
「E」から始まる用語
ECC(イーシーシー)
eMMC(イーエムエムシー)
コントローラ内蔵型のフラッシュメモリの規格の一つ。小型で低消費電力かつ大容量でタブレットやスマートフォンなどに組み込まれる。(英:embedded Multi Media Card)
EXCERIA(エクセリア)
キオクシアの個人のお客様向け製品のブランド。
EB(エクサバイト)
記憶容量の単位。1EB=260B (約10億GB)
「F」から始まる用語
FlashAir™(フラッシュエア)
キオクシアの無線LAN通信機能搭載のSDメモリカード。
「G」から始まる用語
GB(ギガバイト)
記憶容量の単位。1GB=230B (約1,000MB)
「H」から始まる用語
HDD(ハードディスクドライブ)
データを記録する電子部品の一つ。ディスクに磁気ヘッドを当てることでデータを記録する補助記憶装置の一つ。SSDと比較すると、大容量で安価なのが特徴。(英:Hard Disk Drive)
「M」から始まる用語
Mbit(メガビット)
記憶容量の単位。1Mbit=220bit (約100万bit)
MLC(エムエルシー)
1つのメモリセルに2bit分のデータを記憶できるメモリセルのこと。(英:Multi Level Cell)
関連用語:
microSDメモリカード
データの記録媒体の一つで、フラッシュメモリを用いてデータを記録する。SDメモリカードよりも小型のため、スマートフォンやタブレット端末、ドローン、ドライブレコーダーなどの小型機器で使用される。
「N」から始まる用語
NAND型フラッシュメモリ
フラッシュメモリの種類の1つ。メモリセルを直列に配置することで、NOR型に比べて高密度の配置となり、大容量化を実現しているのが特徴。1987年に世界で初めてキオクシアが発明した。
NOR型フラッシュメモリ
フラッシュメモリの種類の1つ。メモリセルを並列に配置することで、ランダムアクセスやデータの高速読み出しが可能なメモリ。1984年に世界で初めてキオクシアが発明した。
「P」から始まる用語
PB(ペタバイト)
記憶容量の単位。1PB=250B (約100万GB)
「Q」から始まる用語
QLC(キューエルシー)
1つのメモリセルに4bit分のデータを記憶できるメモリセルのこと。(英:Quad Level Cell)
関連用語:
「S」から始まる用語
SDメモリカード
データの記録媒体の一つで、フラッシュメモリを用いてデータを記録する。microSDメモリカードよりも大きく、主にデジタルカメラやビデオカメラ、ノートPCなどに使用される。
SLC(エスエルシー)
1つのメモリセルに1bit分のデータを記憶できるメモリセルのこと。(英:Single Level Cell)
関連用語:
SSD(ソリッドステートドライブ)
PCやデータセンター、作業機器などで利用されるストレージデバイスの一つ。主にNAND型フラッシュメモリとDRAM、それらを制御するコントローラーから成り立ち、振動・衝撃に強く、軽量、低消費電力が特徴。(英:Solid State Drive)
関連用語:
「T」から始まる用語
TB(テラバイト)
記憶容量の単位。1TB=240B (約1,000GB)
TCAD(ティーキャド)
半導体デバイスのデバイス・プロセスをシミュレーションするシステム。特に先端メモリ開発においては新たな材料や複雑な3次元デバイス構造の開発が必要なため、開発を効率的に進めるために活用される。(英:Technology Computer Aided Design)
TLC(ティーエルシー)
1つのメモリセルに3bit分のデータを記憶できるメモリセルのこと。(英:Triple Level Cell)
関連用語:
TSV(ティーエスブイ)
シリコンウエハの表面・裏面を貫通する電極(シリコン貫通電極)のこと。また、それを用いて複数のチップを最短距離で接続し、高密度集積を可能とする技術のこと。(英:Through-Silicon Via)
「U」から始まる用語
UFS(ユーエフエス)
コントローラ内蔵型のフラッシュメモリの規格の一つ。eMMCより高速な読み書きが可能。(英:Universal Flash Storage)
USBフラッシュメモリ
PCのUSBポートに直接接続してデータを読み書きする外付記憶装置。(英:Universal Serial Bus)
「X」から始まる用語
XL-FLASH™(エックスエルフラッシュ)
キオクシアの低遅延で高耐久のストレージクラスメモリ(SCM)。従来のDRAMよりもビットコストが低く、NAND型フラッシュメモリのように大容量に対応した不揮発性メモリ。SLC技術を用いることで高速読み出し、書き込みを可能にしている。
XFMEXPRESS™(エックスエフエム エクスプレス)
キオクシアのリムーバブルPCIe®/NVMe™メモリデバイス。SDメモリカードよりも小型であり、高さを最小限に抑えた新しいフォームファクタ(サイズ14mm×18mm×1.4mm、面積252mm²)を採用。機器内に組み込んで起動ドライブとして使用することを想定しており、ウルトラモバイルPCなどの用途に適している。
「数字 / 記号」から始まる用語
3次元フラッシュメモリ
平面構造のフラッシュメモリを上に積み上げていくことで、面積あたりのメモリセルの数を増やしたフラッシュメモリ。2007年にキオクシアが世界で初めて3次元フラッシュメモリ技術を発表した。