「クイズAI開発プロジェクト」後編 「介護」「教育」「地方創生」――。クイズAIが秘める果てしないポテンシャル

― In the Pipeline 記憶×テクノロジーが拓く未来の地平 ―

キオクシアが有する現在の技術または近い将来の開発が見込まれる技術を用いれば、SFでしか見たこと、聞いたことのない世界が実現できる!その無限の可能性を国内外の有識者とともに想像力たくましく妄想することで、近未来のリアルなライフスタイルを予測する。

楽しみながら学べるクイズには、単なるエンターテインメントを超えた無限の利用価値があった。さまざまな分野の最前線でクイズが用いられている現状から、クイズAIの誕生によってさらに開けてくる新たな応用分野まで、日本を代表するクイズプレーヤーとして人気の伊沢拓司さんとキオクシアの市川尚志が、クイズの新たなる可能性を語る。

クイズが脳を活性化する。医療介護の分野における可能性とは

前編ではクイズの魅力と、クイズAI開発プロジェクトについて紹介してきたが、後編ではここから先に広がる、クイズの既成概念を超えた新たな可能性についてのトークが繰り広げられる。その根底にあるのは、人をワクワクさせ、幸せにするというクイズの根本価値だ。

伊沢:改めて、クイズAIのすごいところは評価基準を変えることによって、その場に適応した問題だったり、トーン&マナーに合わせたクイズがつくれることなんですね。

市川:そのお陰で、これまではクイズと言えばエンターテインメントだったところに、新たな可能性も見えてきた。今回のクイズAI開発プロジェクトでは、応用先の可能性として「介護」「教育」「地方創生」を三本柱に掲げたんだよね。

伊沢:これまでのイメージからぐっと広がりましたよね。

市川:最初に挙げたのは介護。僕らの敬愛する医師に森隆徳先生がいて、精神科病院の院長先生なんだよね。

伊沢:統合失調症の患者さんにクイズを出すことによって、治療に生かそうと試みている。

市川:論文として発表できるように、研究を続けているんだよね。伊沢と一緒に講演会を聞きに行ったんだけど、そこで印象的だったのは、早押しクイズを患者さんにやってもらうと、興味のある問題が出たときにむちゃくちゃ反応が良いらしいんだよね。

伊沢:「分かった!」みたいな感じで、心が動くわけですね。

市川:そう。まず心がパッと動いて、早押しクイズなら「ポン!」ってボタンを押すために身体も動く。

伊沢:頭と身体が連動して動く、というのがクイズで実現できるんではないかと。

市川:ある患者さんのご家族は「統合失調症で入院して以来、こんなに生き生きした様子は初めて見た」ってお話されていた、と伺っています。先生曰く「クイズは、認知症や統合失調症に何らかの効果がある可能性が高いだろう」って。

伊沢:あくまで感覚ではありますが、クイズプレーヤーとしてはすごくよく分かる考え方で、知識として自分が知っていることだとか、自分が話したい領域が出題されたときに「はい!」って手を挙げたくなるようなウキウキした気持ちを、早押し機がさらに盛り上げてくれると。

市川:そう、クイズには人の心をワクワクさせる力があるから。最近トロント大から出た論文*によると、懐かしい音楽を聴くと、認知症改善に繋がるという研究結果があるとのこと。一度記憶したことを思い起こさせるっていう行為は、どうやら脳に良い刺激を与えるようなんだ。

伊沢:クイズをすると競争心も生まれるでしょう? それも刺激になるんでしょうね。あと介護ホームなんかで、みんなで昔の懐メロを歌うじゃないですか。あれも同じことですよね。昔のことを思い出させる、記憶を刺激して脳を活性化するみたいな部分は、それこそクイズの得意分野だし、それで思い出話にも花が咲いて、朗らかになる。クイズは介護の場面でも、人を幸せにする可能性を秘めているんですね。

市川:今後、きちんと論文ベースでエビデンスが取れていけば、クイズに新たなブレークスルーが起きるんじゃないかって思っていて。学術的なエビデンスを取る方法としては、認知症予備軍の方が1年間クイズをやり続けて、どれだけ改善したかテストをする方法や、それを機能的MRIを使って裏付けする方法があり得るとのこと。

伊沢:どちらの研究も、労力とお金がかかりますね。

市川:だから、もしも大学病院の先生方がクイズAIのポテンシャルを知ってくれたら、協力体制を組んでくれるというチャンスがあるかもしれない。

伊沢:確かに。新たな研究開発の発想の起点になってくれたらいいですね。

QuizKnockが切り拓く、クイズの教育分野への応用

クイズAIが拓く新たな領域。その2つめに挙げられるのが「教育」だ。そこにはどんな課題と可能性があるのだろうか。クイズを通じた教育事業に取り組んできた、伊沢さん率いるQuizKnockの見地がどのように役立てられるのか、2人はさらに熱い議論を進めていく。

市川:さて、介護の次に視野に入れている分野が「教育」だね。教育と言ったらもう、QuizKnockさんの一番強いところですから。

伊沢:はい(笑)。トレンドとしては個別最適化と呼ばれる、生徒一人一人に合わせた教育をどう提供するか、というところです。GIGAスクール構想によって、学校でノートPCやタブレットを使った授業が浸透していますが、例えばQubenaなどAI型教材がアプリケーションとして活用されています。この生徒はこういう問題に正解していて、今はこの段階の学習が必要だから、次にこの問題を出そう……といったことを自動でやってくれます。これまでみんなが同じカリキュラムに取り組んできたところに対して、それぞれの生徒が自分でどんどん学習を進められるっていうのが新しい。そしてこれが、やっぱりクイズAIと好相性なんじゃないかなと。

市川:でしょうね。クイズっていうちょっとおもしろいやり方が、勉強をおもしろくしてくれるわけだ。QuizKnockさんの魅力は、たとえ初見で深く理解するのが難しい教育内容を題材にしても、最大限おもしろくしながら学んでもらう形に落とし込んでいるところだと思っています。我々としてはそういった各々の魅力を掛け合わせた良い化学反応を起こすため、言語化というか、AI化していこうとしているわけだね。

伊沢:例えば社会、歴史の教科書とかが分かりやすいのかな。そこからクイズがどんどん生成されていくわけですけど、この子はもう小学校レベルがクリアできてるから、次は中学校のテキストから問題を作って出してあげよう、といったことができるようになる。飛び級的にどんどん教材を発展させていくようなことが、クイズAIを使ってできるわけです。学びたい子がもっと学べるように、その子に合わせた問題ができていくとすれば、個別最適化の時代において、クイズAIのもつポテンシャルはめちゃくちゃ大きいんです。

市川:そこまで追い付けるように、早く整えたいよね。

伊沢:近い将来、評価基準をAIに読ませてあげれば、楽しく、かつどんどん学べる教材というものが作れるようになる。

市川:単純に学ぶ、プラスおもしろいっていうところを、ぜひ早く実現させたいよね。

伊沢:僕らのもつ「学びを楽しく」のノウハウっていうのが、きっと生きてくるはず。僕らはやっぱり、エンターテインメント9割で、そのなかに学び1割を混ぜて、そこからみんなが成長してくれればいいなと思っているので、そういうものをクイズAIで実現していきたい。

市川:そこまでいきたいね。スタートはまだ時事問題だけだけど、そういうところまで広げられるよう、どんどん進化させていきたいね。

AIを駆使したご当地クイズが、地方創生を加速する

クイズAI開発プロジェクトにおける3つ目のテーマが「地方創生」だ。東京一極集中ではなく、地方ならではの魅力に多くの人々が気づき始めてきた昨今。当事者である地元の人たちはもちろん、地元以外の人たちにも各地方が持つ魅力に気づかせ、より好きになってもらうためのヒントが、ローカルに特化した「ご当地クイズ」にあるという。

市川:伊沢に話をしたときに「僕らとしては地方創生もやりたい」って言われたんだよね。

伊沢:QuizKnockでは47都道府県の学校をメンバーが講演会とかクイズ大会しながら回るツアーなんかをやってたので、やっぱりまずは日本各地にっていうのがあった。それに、クイズはもうテレビだけが牽引していく時代じゃなくなった。各地にいるクイズプレーヤーが自分たちで仲間を集めて、新しいムーブメントを起こしていくという流れになってきているんです。でも、そういう流れを大きくしていくうえで「クイズプレーヤーだけが持っていて、あまり言語化も行われていない作問技術」というのは壁になってくる。分散型でのクイズ文化発展をより高次元で実現するためには「ノウハウや経験はないけど、クイズイベントやってみたい!」みたいな人たちを支えるシステムが必要だったんですね。そうなったときに、このクイズAIはめちゃくちゃすごくて。クオリティの高いクイズ問題が誰にでも、どこでもつくれるようになるわけですから。

市川:僕も武蔵浦和のコミュニティ施設と組んで、地元の親子向けクイズイベントをやらせてもらっているんですが、普段のクイズ大会と比べると、ウケる問題がズレてたりするんですよね。例えば「イタリア語で海という意味の名前をもつ、武蔵浦和のショッピングセンターはなんでしょう?」。

伊沢:マーレ。

市川:正解(笑)。

伊沢:ローカルだな(笑)。

市川:ローカルでしょ。これがローカル大会ではウケるわけです。地元ならほぼみんなが知ってるから。そして、地元でウケる問題って、地元じゃない人が作ろうと思ってもなかなか難しいんですよ。

伊沢:ですね。「クイズ作家が行きます」みたいになると労力もお金もかかるし、ウケるかどうかっていう微妙なラインも分からない。

市川:でもクイズAIだったら、地元で人の動きの多いショッピングセンターを地図で探してきて、マーレという名前はイタリア語で海のこと、といったような情報が全部インプットできるはずで、そこから自動的に問題を作ることができる可能性もある。

伊沢:これまでは誰かが調べて、「ウケるかな?」とか考えながら、1問1問丁寧に手づくりしてきたわけですよね。それが、AIがそういった知識がどれだけ知られているかについて何らかの基準でもって判断して、AIのみの手によってできるようになると、ノウハウや人手のない自治体でも気軽にクイズイベントができるようになる。イベントを通して、地元のスポットが外からも脚光を浴びたりといったことが起こり得るようになるわけです。

市川:また武蔵浦和のクイズイベントはローカル向けというだけじゃなくて、小学生向け、親子向けっていうシチュエーションでもあった。地元の複数の高校のクイズ研究会の生徒さんたちに小学生も答えられる問題を作ってもらいました。今回参加した4校が別々に問題を作ったのに、偶然にも一つだけ全く同じ題材の問題を4校全部が出題したんですよ。当てられるかな、何だと思う?

伊沢:埼玉の問題ですか?

市川:埼玉じゃない。教育っぽく、子どもが答えられそうな問題。

伊沢:何だろう。

市川:ヒントは学校にあるもの。

伊沢:百葉箱?

市川:正解。すごい!この少ないヒントで、さすが(笑)。

伊沢:理科の授業でやるし、必ずみんな見たことある。

市川:まあそういう発想で、4チームみんなが百葉箱の問題を作ってきたんです。で、そこがおもしろいと思った。要は小学生向け、親子向けっていうシチュエーションだったら、作れる問題っていうのは、実は――。

伊沢:意外と限られてるんじゃないかと。

市川:そう!意外と限られてるんだね。そして、そういう問題の作り方をクイズAIにうまく覚えさせられるはずなんだ。小学生が答えられて、しかも勉強になるような問題ね。

伊沢:そこには何か、法則のようなものがあるはず。

市川:そう。だから、その親子クイズをやったときに、何となくその感覚というか法則が分かるようにしておきたいなと思って、地味にデータを集めるようにしています。今後のために。

伊沢:これからは、クイズAIによってどんな領域でも、どんな場所でも、ありとあらゆるクイズイベントが開きやすくなることは間違いないでしょう。しかも、おもしろいクイズによって、各地の様々なモノ・コトを見直すきっかけにもなる。いわゆる「地元あるある」はどの地方にもあって、参加者たちは地元だけしか分からない超ローカルネタで笑ってるんです。

市川:そういうのあるよね。

伊沢:僕らがついていけない超ローカルネタを地元の人たちで笑う、みたいな。それがすごく楽しかったりする。そんな体験を通じて「やっぱり地元っていいね!」っていう共通の感覚が育まれると思うんです。

クイズ・オンデマンドの時代へ

2人が胸躍らせる、クイズAIが切り拓く未来の可能性。それは新たにクイズを楽しむ者たちだけでなく、これまでクイズに関わってきたあらゆるクイズ・ラバーたちを肯定し、後押しし、そのプライドを高めるところにつながっていくという。誰もがいつでも、どこでも、クイズを楽しみながら自分を高めていくことができる時代の到来を約束する、クイズ・オンデマンドの考え方とは?

市川:クイズの市場規模は、クイズAIによって、まだまだ大きくなれる可能性がある。

伊沢:おもしろいクイズという、経験則でしか分からなかった部分をいかに言語化して、分散させるかですね。その鍵を握るのが、このクイズAI。例えばテレビの番組内容にアジャストした、少ない問題数でも確実に受ける問題作りとか、問題の並べ方なんかは、やはりクイズ作家の領域であり続けると思うんだけど、問題を量産できるという点や、地方にアジャストした問題とかを足を使わずに作れるというような点に、すでに光明が見えている。

市川:一つ、可能性のある笑い話としてあるのは、我々って「クイズプレーヤークイズ」というものを作ることがあるじゃないですか。

伊沢:もう、ただの内輪ネタね(笑)。誰々が何々したみたいな笑い話をクイズにするわけですから。「誰々の昨日のTwitterで〜」とか「ハンドルネームは〜」みたいなのを出したりするやつですね、遊びで。

市川:あくまで遊びだけど、実は仲間内でおもしろいと思ってるネタを拾ってきて問題にするっていうのは、クイズの本質の一つでもあると思うんだよね。

伊沢:究極のローカライズ。さっきの地方創生の話の「地方」というところを、さらにぎゅっ!と圧縮したような話ですね。その集団の共通の話題であれば、内輪では常識になるわけで、そうするとクイズになる。

市川:いまのクイズのビジネスで言うと、一番大きいのがテレビ。次にYouTube。次がゲームと自分は思っています。この3つでやろうとすると、マスが喜ぶクイズになっちゃうんだけど、実は新たな可能性があるのがローカライズなんだね。QuizKnockにも、そういう取り組みがあると聞いたことがあるけど……?

伊沢:ここ数年、QuizKnock関係者の親交を深めるレクリエーションとして、メンバーに自分のパーソナルな情報を題材にしたクイズを作ってもらうんです。それを集めて、僕がシャッフルして、クイズ大会をやる。

市川:パーソナルクイズだね。

伊沢:全部パーソナルな問題。だから、互いのことをどれだけ知っているかどうかが試されるし、クイズを通して新たに互いのことが知れる。自己紹介をクイズでしようぜ、みたいな企画なんですが、みんなが自分の自慢のエピソードを持ってきてくれるので、大いに盛り上がるわけです。

市川:これもある意味「クイズプレーヤークイズ」なわけだ。

伊沢:そう。クイズの新たな可能性を開拓する応用であり、かつ原理自体はまったく変わっていない。

市川:変わってないね。地方創生でも教育でも介護でも、根本は変わらないよね。要は、人が喜ぶ問題をクイズにしようという点だね。

伊沢:だから、やっぱりクイズというのはみんなが知ってることを出して、その再確認をするというところが基本のひとつにありますね。

市川:根本が単純だからこそ、応用の可能性を秘めている。

伊沢:でも、このレクリエーションを単純に真似しようと思っても、例えば文章を推敲して、これはコンプラ的にNGだねとか言って修正を加えたり、3択問題に変えてよりおもしろくしたり、といった部分では、やっぱりまだ人の手が必要なわけです。そこにクイズAIが加われば、すごく門戸が広がる。

市川:いろんな会社で新人研修会に使ってもらうこともあり得るね。クイズがもっとビジネスになるね。

伊沢:ですね。新たな可能性が開けてきます。そしてその過程で、いまいるクイズプレーヤーという存在は、AIに仕事を奪われるどころか、よりリスペクトされるようになると思うんです。

市川:クイズAIの元になっている存在がクイズプレーヤーであり、クイズ作家だからね。

伊沢:AIが作る「おもしろさ」という概念を築いてきた存在であり、それを一人でできちゃうんだから、そりゃあすごいね!っていうことになる。AIでは作れない領域というのはまだたくさん残ると思うし。そういう人たちが、クイズAIの登場によって新たに脚光を浴びる時代になると思う。

市川:そしてこれからは、「クイズ・オンデマンドの時代」になってくる。

伊沢:新しい言葉ですね。

市川:そう。いままでのクイズは、マスメディアを通じてなるべく多くの人たちが共通して楽しめるものや、公平に競技として競える幅広いジャンルのものを大枠では目指してきた。それに対して、クイズAIができると「みんな」じゃなくて「その人」「そのコミュニティ」に対する究極のおもしろいクイズが作れるようになってくる。

伊沢:マスに向けた発信の中で切り捨てられてた人が、ローカライズできるによって、その人に最適化された問題を楽しむことができるようになるわけですね。

市川:そう。そしてそれはクイズAIが機能してこそ初めて実現する。

伊沢:クイズAIが個別最適化されたクイズを実現してくれる。

市川:そしてそれを支えるのが、これまでのクイズプレーヤーやクイズ作家、そしてクイズ大会をやる人たちの積み重ねなんだね。

伊沢:これまでは物理的な難点があってクイズを楽しめなかった人たちを、より楽しめる状態にしていく。それがクイズ・オンデマンドの本質であり可能性なんですね。需要はいっぱいあります。Twitterで「クイズやってます」ってプロフィールに書いてる人、僕の体感ではけっこう増えてるんです。クイズAIによって、そういう「継続的にクイズをプレーする人」たちに十分なプレーの場が与えられれば、クイズ業界もより豊かな場になっていく。オンデマンドでやりたいクイズをみんなができるようになるというのは、需要が高まる今だからこそ、必要なことなのかなと思いますね。

市川:介護のところも教育も、その人の学びに合わせたクイズを出してあげることが大事じゃないですか。地方創生も同様に、ローカルという形にオンデマンドされたクイズが力になる。まだ、その第一歩に足をかけようとした程度だけどね。

伊沢:でも、今の伸びてる線をそのままちゃんと伸ばしていくと、その先にそんな未来が待っている。

市川:実感あるよね。よくAIが置き換える世界って言うけど、置き換えることはむちゃくちゃ大変なんだよね。

伊沢:その大変さが、本質の価値に気づかせてくれるんですね。AIは我々を抜いていくんじゃなくて、我々の活動のベースになる部分についてかさを増してくれるものなので。それによって、我々クイズプレーヤーの視座を高めていくことができる。

市川:そう。そんな時代を拓いていきたいよね。でもこの先に進むには、我々だけじゃできない。

伊沢:各界のクイズ・ラバーたちが興味をもって、手を携えてくれないとね。

市川:例えば新聞社で「うちの記事、全部AIでクイズにしてみてくれませんか?」とかあったらおもしろいよね。

伊沢:地方でも「クイズAIを使ってイベントやってみたいです」みたいな人が声をかけてくれたら嬉しい。

市川:そういうのが積み重なっていくと、クイズによってみんなが幸せになっていく。

伊沢:クイズ・ラバーたちのプライドも満たされます。

市川:お互い、キオクシアとQuizKnockという違う会社に身を置くけど、クイズ・ラバーとしての想いは同じだよね。だから、これからもよろしく(笑)。新しいキャッチフレーズは「記憶をクイズにして世界をおもしろくする」にするからね!

伊沢:いいですね!

市川:キオクシアのミッションは「『記憶』で世界をおもしろくする」なんだけど、その応用版ってところかな(笑)。

伊沢:クイズでうまく切り取れば、記憶はより輝くと。

市川:まさにそう!そんな未来に向けて、お互い頑張りましょう。今日はありがとう!

伊沢:ありがとうございました。

*トロント大の出典先:Journal of Alzheimer's Disease, vol. 84, no. 2, pp. 819-833, 2021
掲載している内容とプロフィールは取材当時のものです(2022年1月)