機械学習を活用した画像処理技術の開発

2019年2月28日

半導体デバイスの製造工程では微細な異常を高精度に検出することが求められます。私たちは従来の画像処理技術だけではなく、機械学習を活用した新しい検査技術の開発に取り組んでいます。

図は走査電子顕微鏡(SEM)による半導体製造工程における欠陥検査の事例を示しています。欠陥検査では例えば半導体ウエハ上の金属配線のショートや断線など、回路のCADレイアウト*1とは異なるパターンを検出することが求められます。ただし実際のパターンはCADレイアウトと完全には一致しないため、単純に画像同士を比較すると欠陥以外の部分を過剰に検出してしまいます。そこで機械学習の手法を活用してCADレイアウトを本物そっくりのSEM像に変換し、得られた画像と実際の検査画像を比較するという新しい検査手法を開発しました*2。今後も日々進歩していく機械学習の手法を取り入れて検査・計測の高精度化を推進し、更なる製造工程の歩留向上と製品の品質向上に貢献する技術を開発していきます。

CADレイアウトと検査画像を比較した結果(左)と機械学習を活用した検査結果(右)
  1. 半導体の製造マスク作成のためのCAD(Computer Aided Design)用の配線などのパターン図面
  2. 株式会社東芝との共同開発