業界最大クラスの1.6TBを実現したエンタープライズ向けSSDなどの製品化について

読み出し速度も大幅に向上

  • 2012年8月21日
  • 株式会社東芝
業界最大クラスの1.6TBを実現したエンタープライズ向け2.5型SSD

当社は、2.5型エンタープライズ向けソリッドステートドライブ(以下、eSSD)として、業界最大クラス注1となる1.6TB注2記憶容量の「PX02SMB160」など、3シリーズ11モデルを製品化し、2012年10月から順次サンプル出荷を開始します。

新製品「PX02SM」シリーズは、当社として初めてeMLC(エンタープライズマルチレベルセル)のNAND型フラッシュメモリをeSSDに採用したほか、新規開発のコントローラと12Gb/sのSASインターフェース搭載などにより、当社従来製品注3と比較して約1.8倍の連続読み出し速度(シーケンシャルリード注4)を達成しました。また、サーバーに保管している各種データをより早く検索するために必要とされるランダムリード注5性能では、業界最高レベル注1の120kIOPS注6を実現するなど、本シリーズを高性能サーバー および 階層化された高性能ストレージシステムに適用することで、更なる性能改善が可能になります。

「PX02AM」シリーズでは、エントリーサーバーやミドルレンジサーバーに最適な100GB、200GB、400GBの記憶容量をラインアップしたほか、「PX03AN」シリーズでは、一般PCなど向けのcMLC(クライアントマルチレベルセル) を採用し、エントリーサーバーにおける読み出し専用やシステム立ち上げ用途に特化したシリーズで、55GB、120GB、240GB、480GBのモデルを展開しています。

当社は、大容量のデータを保管するデータセンターなどで、最もアクセス頻度の高いデータを保存するストレージとして展開しているeSSDにおいて、今回、より読み出し速度の速いモデルをはじめ、エントリーサーバー向けに性能と価格のバランスのとれたモデルや読み出しに特化したモデルなど、ラインアップを拡充し、多様なユーザーニーズに応えることで、シェア拡大を図ります。

注1 SAS/SATAインターフェース採用のエンタープライズ向け2.5型SSDとして。2012年8月21日現在、東芝調べ。
注2 1メガバイト(MB)は1,000,000バイト、1ギガバイト(GB)は1,000,000,000バイト、1テラバイト(TB)は1,000,000,000,000バイトで計算しています。
注3 当社従来製品「MK4001GRZB」との比較。「MK4001GRZB」のシーケンシャルリードは500MB/s、新製品「PX02SM」シリーズは900MB/s。
注4 連続したデータ(62KiB)のデータを読み出すときのデータ転送速度。
注5 ランダムデータを読み出すときのアクセス能力。1秒間に4KiBの大きさのデータをいくつ読み出せるかで速度を示す。
注6 Input Output Per Secondの略。1秒間に可能なリード、ライトの処理の回数を表すもの。数値が高いほど処理能力が高くなります。

エンタープライズ市場における階層化ストレージの図

新製品の概要

※表を左右にスクロールすることができます。

型名 記憶容量 特長
PX02SMB160 1.6TB 高速タイプ
高性能サーバー向け
PX02SMF080 800GB
PX02SMF040 400GB
PX02SMF020 200GB

※表を左右にスクロールすることができます。

型名 記憶容量 特長
PX02AMF040 400GB スタンダードタイプ
エントリーサーバー・ミドルレンジサーバー向け
PX02AMF020 200GB
PX02AMF010 100GB

※表を左右にスクロールすることができます。

型名 記憶容量 特長
PX03ANF048 480GB 読み出し、立ち上げ専用タイプ
エントリーサーバー向け
PX03ANF024 240GB
PX03ANF012 120GB
PX03ANF505 55GB

新製品の主な特長

1.高速データ処理を実現【高速タイプ(PX02SMシリーズ)】

処理速度の速いコントローラを新規開発し、記憶媒体として高速データ処理の可能な24nm注7プロセスのeMLC NAND型フラッシュメモリを搭載することにより、連続読み出し(シーケンシャルリード)速度900MB/sを実現し、従来の当社製eSSD「MK4001GRZB」に比較して、約1.8倍の速度を達成しました。特に、ランダムリードの性能は、SAS/SATAインターフェース採用のエンタープライズ向け2.5型SSDとして、業界最高レベルの120kIOPSです。

注7 nm:ナノメートル。10億分の1メートル。

2.高速インターフェースSAS 12Gb/sを採用【高速タイプ(PX02SMシリーズ)】

当社ストレージ製品として初めて、12Gb/s速度のSASインターフェースを採用し、転送速度の高速化を図りました。

3.業界最大クラスの大容量を実現【高速タイプ(PX02SMシリーズ)】

「PX02SMB160」はSAS/SATAインターフェース採用のエンタープライズ向け2.5型SSDでは業界最大クラスの記憶容量となる1.6TBの大容量を実現しています。

4.「QSBC™」注8機能搭載により読み出しデータの信頼性を向上【高速タイプ(PX02SMシリーズ)】

当社独自の誤り訂正技術である「QSBC」を新たに採用し、複数のエラー訂正回路があり、SSD内部で発生する様々なエラーに適切なエラー訂正回路が対処することで、効率的でより精度の高い処理を実現しています。

注8 Quadruple Swing-By Code。QSBCは株式会社東芝の商標です。

5. Power loss protection 機能搭載で電源遮断時の転送中データを保護【各シリーズ共通】

データ転送中に急な電源遮断が起こった場合にも、ソリッドキャパシタ搭載による電源バックアップ機能により、バッファメモリなどに保存されたデータをNANDフラッシュメモリに記録するpower loss protection機能を搭載しました。

6. 環境への配慮【各シリーズ共通】

(1)RoHS指令に適合

2006年7月施行のEU(欧州連合)RoHS指令(2002/95/EC)に適合しています。

(2)ハロゲンフリー、アンチモンフリーを実現

本SSDはハロゲンフリー/アンチモンフリー注9を実現しています。

注9 当社セミコンダクター&ストレージ社は、ハロゲンフリー/アンチモンフリーのSSDを次の要求をすべて満たす製品として定義します。

  1. 臭素(Br)および塩素(Cl)をそれぞれ重量比900ppmを超えて含有せず、かつ臭素と塩素の合計が重量比1,500ppmを超えて含有しないこと。
  2. アンチモン(Sb)を重量比で1,000ppmを超えて含有しないこと。これは、本SSDが臭素、塩素、およびアンチモンを全く含有しないことを意味するものではありません。また、他のハロゲン族元素(フッ素(F)、ヨウ素(I)、およびアスタチン(At))が含まれる可能性があります。

当社グループの環境ビジョンについて

当社グループは、「地球内企業」として持続可能な地球の未来に貢献するため、「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定し、総合環境効率を2000年度基準で2050年度までに10倍に高める目標を掲げています。この実現に向け、「東芝がモノを作るときのエコ“Green of Process”」、「東芝の作る製品がエコ“Green of Product”」、さらに、効率の高いエネルギー供給機器の開発などの「環境技術で貢献するエコ“Green by Technology”」、の3つのGreenで地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。当社グループは、こうした環境への取り組みを一層加速するとともに、広く訴求するため、「ecoスタイル」をグローバル統一ブランドと定めています。詳細は以下をご覧ください。
URL: http://www.toshiba.co.jp/env/jp/management/vision2050_0_j.htm

お客様からの商品に関するお問い合わせ先:
ストレージプロダクツ事業部
TEL:03(3457)2445