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AI技術と人間で手塚治虫に挑む「TEZUKA2020」 新作漫画『ぱいどん』
2月27日発売の『モーニング』(講談社)に掲載決定
あなたの記憶に残る手塚作品は?「#マイベスト手塚」Twitterキャンペーンも本日スタート
- 2020年 2月 7日
- キオクシア株式会社
当社は、キオクシアへの社名変更に伴い始動した「#世界新記憶」キャンペーンの第1弾「TEZUKA2020」として、AI技術と人間で漫画の神様・手塚治虫さんに挑む新作漫画の制作に取り組んでまいりました。この度、新作『ぱいどん』が2月27日(木)発売の『モーニング』(講談社)にて掲載されることが決定いたしました。また、記憶に残る手塚治虫作品をつぶやいていただく「#マイベスト手塚」Twitterキャンペーンも実施いたします。
「もしも、今、手塚治虫さんが生きていたら、どんな未来を漫画に描くだろう?」というワクワクした疑問からスタートした本プロジェクトによる新作は、2030年の東京で、ホームレス哲学者が事件を解決する『ぱいどん』です。
本作品は、手塚治虫作品を学習したAI技術が生成するプロット(漫画の基本的な構成要素)やキャラクターをインスピレーションソースに、クリエイター陣が人間ならではの感性、経験で作品として完成させています。日々進歩するAI技術と向き合い、偉大なる手塚治虫さんの発想力、画力と筆致の壁に挑み続け、AI技術と人間の新たな在り方の可能性を感じるプロジェクトとなりました。
当社は「『記憶』で世界をおもしろくする」というミッションのもと、今と未来をつなぐ新しい価値を創造し世界を変えていく存在を目指してまいります。
■新作概要
タイトル |
『ぱいどん』 ※2月27日(木)発売『モーニング』13号掲載 |
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ストーリー |
2030年の東京で、進んだ管理社会に背を向ける男ぱいどん。記憶をなくしたホームレスだが、小鳥ロボットのアポロと共に事件に解決すべく立ち向かう。 |
関連ページ |
「TEZUKA2020」概要
■新作『ぱいどん』
2030年の東京で、進んだ管理社会に背を向ける男ぱいどん。記憶をなくしたホームレスだが、小鳥ロボットのアポロと共に事件に解決すべく立ち向かう。
著者:「TEZUKA2020」プロジェクト
【掲載誌】
『モーニング』13号(講談社/2月27日(木)発売)
【制作手順】
手塚治虫作品をデータ化し、AI技術が“ストーリー”と“キャラクター”の視点で「手塚治虫らしさ」を学習する。その結果を人間が確認し、AI技術にフィードバックして磨き上げ、AI技術が生成した“漫画のタネ”をインスピレーションソースに、クリエイター陣で発想を広げ新作を完成させた。
- ストーリー
手塚治虫作品の世界観・時代背景・キャラクター等を人間が分析し、データ化した上で、AI技術に学習させ、漫画の世界観、登場人物像、あらすじなどの構成要素から成るプロットをAI技術が生成した。そのプロットから人間が発想を広げてシナリオ化した。
- キャラクター(画)
スキャンした作品データから、登場するキャラクターの“顔”を抽出し、AI技術に学習させ、キャラクターの顔画像をAI技術が生成した。その顔画像から人間がシナリオに沿って服装等のキャラクターデザインを行った。
■「#マイベスト手塚」Twitterキャンペーン
手塚治虫作品の中から、一番記憶に残る作品、キャラクター、思い出に「#マイベスト手塚」をつけてツイートしていただくTwitterキャンペーンを2月7日(金)~3月20日(金祝)に実施します。抽選で新作漫画『ぱいどん』の限定キャラクター画が当たります。
Twitter公式アカウント:https://twitter.com/TEZUKA_2020
■#世界新記憶キャンペーンについて
2019年10月1日付の社名変更に伴い、「『記億』で世界をおもしろくする」をミッションに掲げ、「記憶」の可能性を追及し、新しい価値を創り出すことで、これまでにない体験や経験を生み出し、世界を変えていく当社を体現するキャンペーン。記念すべき第1弾が、AI技術と人間で手塚治虫さんに挑み、人々の記憶に残る新作漫画を制作する「TEZUKA2020」です。
キオクシアブランドサイト:brand.kioxia.com
■「TEZUKA2020」プロジェクトメンバー
キオクシア株式会社 「TEZUKA2020」プロジェクトチ―ム
手塚プロダクション取締役 手塚眞
公立はこだて未来大学副理事長 松原仁
公立はこだて未来大学システム情報科学部教授 迎山和司
慶應義塾大学理工学部教授/電気通信大学人工知能先端研究センター特任教授 栗原聡
コメント
手塚眞氏(手塚プロダクション取締役)
「TEZUKA2020」は、「アトム ザ・ビギニング」(2015年)の際にAI技術の先生方とご一緒したことがきっかけで、昨年、キオクシア社と出会い、スタートしました。AI技術とクリエイティブという全く異分野のコラボレーションで新しいことにチャレンジすることは、「大変」の一言に尽きます。ただし、これはどんな分野においても同様で、「初めての取組み」をステップに、技術が確立されていくのだと思います。今回のプロジェクトでもいくつもの困難な局面を乗り越えた結果、手塚治虫作品を学習したAI技術が生成したプロット構成要素や、キャラクター画像には「手塚治虫らしさ」が確かに存在していました。さらなる研究と検証が必要にはなりますが、AI技術は私たちクリエイターにとって心強いパートナーになり得るのではないかと期待を寄せています。こうしたテクノロジーは人間の使い方ひとつによって、結果が大きく変わります。結局はテクノロジーの面においても、クリエイティブの面においても、もっともっと努力し、創造の可能性を広げ、正しい使い方を探求していくことが人間に求められているのではないでしょうか。
私は、多くの人に「未来に夢を持って欲しい」と思っています。私たちは手塚治虫作品からその点を学んできたはずで、「ぱいどん」からもこうした想いが伝わることを願っています。
栗原聡氏(慶應義塾大学理工学部教授)
AI技術は日々進化していますが、多くの人がイメージする“人工知能”の万能ロボットの域にはまだ到達していません。漫画(白黒の線画)の顔を、「顔」として認識しないAIにとって、手塚治虫作品は非常にハードルが高く、とても苦心しました。だからこそ、今回のAI技術と人間によるコラボレーションは、今後のAI技術と人間がどう向かい合い、付き合っていくかを模索する、非常に価値ある取組みとなりました。AI研究者の立場からすると、「ぱいどん」はAIから最も遠いところにある“哲学”がテーマというのも非常に面白いところです。現代を予言していた手塚治虫先生に感服するとともに、AI技術による生成データを読み取り、作品として仕上げていくクリエイター陣の熱意や発想力に、人間の魅力、可能性の大きさを改めて感じています。
三浦敏宏氏(『モーニング』編集長)
「AI手塚治虫」。とても夢のある企画です。それでも、現状ではまだまだAIが描く漫画と呼べるものではないでしょう。ですがプロジェクトメンバーである栗原教授の、AIによる創作を研究する程にヒトが如何に高遠なのかをむしろ思い知る、というお話に心が動きました。なぜならそれは、アトムを作った時の天馬博士と同じ苦悩なのです。手塚先生なら、きっとこの企画を面白がったのではないか、その時そう思えました。何年後かはわかりませんが、将来本当に「AI作家」が出現する時代への、壮大な「予告編」として今回モーニング編集部は協力させていただくことにします。
長崎尚志氏(作家)
AIで手塚治虫作品を創造する……
かつて手塚先生の担当だったわたしは、話を聞いただけでわくわくした。
でも、それは実現可能なのか?
あの複雑な伏線、独特のヒューマニズム、苦さの残るハッピーエンド……
そして独創的な画とキャラクター、世界一うまいコマ割り……
それらを機械が理解し、表現できるのだろうか?
正直、ちょっと懐疑的な思いもある。
確かアトムの電子頭脳は、事実を正確に理解し語れたが、ウソをつけないだけに、物語を創作するのは苦手だったはず。
はたしてAIは、アトムを超えられるのか?
やっぱり前向きに期待しよう。
甦った手塚氏の新作を、一日も早く読んでみたいものだ。